「日本版スチュワードシップ・コード」に対する基本方針
株式会社ポートフォリア(以下、ポートフォリア)は、平成26年2月26日付で「日本版スチュワードシップ・コードに関する有識者検討会」において策定された「『責任ある機関投資家』の諸原則 ≪日本版スチュワードシップ・コード≫」に積極的に賛同し、平成26年5月に各原則に対する基本的な方針を定めましたが、令和2年3月24日に公表された同コードの再改訂を踏まえ、以下に各原則に対する基本的な方針を更新します。(令和2年9月30日改定)
原則1 機関投資家は、スチュワードシップ責任を果たすための明確な方針を策定し、これを公表すべきである。
ポートフォリアは、時代の変化にもかかわらず、投資一任契約のお客様および投資信託の受益者(以下、お客様・受益者という)の真のニーズは長期にわたり絶対的に資産を増やすことにあると考え、これを実現する絶対収益型のアクティブ運用を運用信念としていますが、その根幹をなすのが「スチュワードシップ責任」だと考えています。ポートフォリアは、企業経営者との長期にわたる「目的を持った対話」(エンゲージメント、働きかけ)を通じて、経営者の人柄・信念・ビジョン・経営理念から経営・組織・人材戦略にいたる投資先企業に対する深い理解を得て、積極的に企業価値の向上や持続的成長を促すことにより、お客様・受益者の中長期的な資産の増加を図り受託者責任を果たすとともに、結果としてより良き日本の社会を創っていくことに貢献していく方針です。 またポートフォリアでは、株式会社の根源的な使命について、多様な利害関係者の共通の目標である本業の持続的な収益力向上=本質的「企業価値」の最大化であると捉えており、株主のみの「株主価値」の最大化であるとは考えていません。あくまでも投資先企業の時間軸と目線を十分に理解しつつ厳しい眼で経営を語り合う投資家であるとともに、お客様・受益者の時間軸・目線と資本市場の動きを理解し、双方のニーズを吸収し両立させるなかで資産を増やしていく、という重要な仲介役=クッションとしての役割を果たしていきたいと考えています。
原則2 機関投資家は、スチュワードシップ責任を果たす上で管理すべき利益相反について、明確な方針を策定し、これを公表すべきである。
ポートフォリアは、いかなる金融グループにも属さない独立した資産運用専業会社であり、また「みのりの投信」「みのりの投信(確定拠出年金専用)」のみを運用しているため、お客様・受益者との利益相反の可能性は極めて限定的です。ただ、ポートフォリアの社外役員や株主が属する企業や「みのりの投信」「みのりの投信(確定拠出年金専用)」を販売する企業との関係において、利益相反が生じる可能性は完全には排除できません。 ポートフォリアでは、いかなる利益にも影響されることなく、受託者責任とスチュワードシップ責任を全うすることを基本方針としており、利益相反が想定される株式売買や議決権行使等については、社内規程に明確に定めているほか、投資政策委員会および独立した社外役員を中心に構成された取締役会で監督を行うなど、厳しい法令順守体制およびガバナンス体制を構築しています。
原則3 機関投資家は、投資先企業の持続的成長に向けてスチュワードシップ責任を適切に果たすため、当該企業の状況を的確に把握すべきである。
ポートフォリアでは、厳選した企業にのみ投資をするアクティブ運用を行っており、豊富な経験と実績を有する運用担当者が常に投資判断を行って売買をしています。こうした投資判断の際には、幅広い事業環境を把握するとともに、必要に応じて随時、企業経営者やIR担当者との面談や電話等によって、財務面のみならず非財務面の定性的な事項についても網羅的かつ的確に状況を把握するように努めています。
原則4 機関投資家は、投資先企業との建設的な「目的を持った対話」を通じて、投資先企業と認識の共有を図るとともに、問題の改善に努めるべきである
ポートフォリアでは、企業経営者やIR担当者との直接的な対話の機会において、企業の状況を把握するだけでなく、世界的な潮流や企業の中期的なあるべき姿、またポートフォリアが考える「企業価値」等を積極的に共有し理解を深めることにより良好な関係を構築するように努めています。また問題が生じた際にも対話を通じて相互理解を図ることが基本的な方針ですが、相互に理解が得られない場合には投資判断として当該企業の株式を売却することもあります。 また対話のなかで「未公表の重要事実」(インサイダー情報)を受領しないように慎重に進めるとともに、仮に「重要事実」が開示された場合には社内規程に沿って厳正に対処する方針です。
原則5 機関投資家は、議決権の行使と行使結果の公表について明確な方針を持つとともに、議決権行使の方針については、単に形式的な判断基準にとどまるのではなく、投資先企業の持続的成長に資するものとなるよう工夫すべきである。
ポートフォリアは、投資先企業の株主総会議案に対して、受託者責任の観点からお客様・受益者にとっての企業価値向上のために議決権を行使します。また具体的な議決権の行使にあたっては、事前に定めた「議決権の指図行使に関するガイドライン」を参考に、運用担当者が投資先企業の経営方針等を勘案したうえで個別に各議案を精査し、企業と対話を重ねたうえで行使を決定し、投資政策委員会がこれを確認し承認します。行使結果については、議決権行使の基本的な考え方や各議案に対する行使状況の一覧を反対議案の理由とともに公表します(平成29年8月31日公表分からは投資先企業ごとの詳細についての公表も開始しました)。 ただ投資先企業と投資家とは、スチュワードシップ責任や受託者責任に基づく長期的な信頼関係を築くことがより重要であり、議決権の行使はあくまでも対話のひとつであると考えています。
議決権行使の結果
・令和5年7月から令和6年6月まで ・令和4年7月から令和5年6月まで ・令和3年7月から令和4年6月まで ・令和2年7月から令和3年6月まで ・令和元年7月から令和2年6月まで ・平成30年7月から令和元年6月まで ・平成29年7月から平成30年6月まで ・平成28年7月から平成29年6月まで ・平成27年7月から平成28年6月まで ・平成26年7月から平成27年6月まで ・平成25年7月から平成26年6月まで原則6 機関投資家は、議決権の行使も含め、スチュワードシップ責任をどのように果たしているのかについて、原則として、顧客・受益者に対して定期的に報告を行うべきである。
ポートフォリアでは、議決権行使の結果についてホームページに公表を行っているほか、お客様・受益者に対しては年に1回送付する運用報告書において、企業との対話に関する基本的な活動内容など本基本方針の実施状況についての自己評価も含めて報告します。
原則7 機関投資家は、投資先企業の持続的成長に資するよう、投資先企業やその事業環境等に関する深い理解のほか運用戦略に応じたサステナビリティの考慮に基づき、当該企業との対話やスチュワードシップ活動に伴う判断を適切に行うための実力を備えるべきである。
スチュワードシップ責任の本来の意図を達成するためには、企業経営者と同じ時間軸と目線で本質的な議論をすること、そのために必要な広汎な知識と知恵、歴史を踏まえた知見と経営を語る能力と意思を持った人材が不可欠です。ポートフォリアはそのような対話を実践し受託者責任を全うすることを目的に設立されたため、すでに率先してこうした人材を採用・育成する企業風土・体制を構築しています。 ただ求められる資質のレベルは時代とともに上がっていきますから、これをさらに強化していく仕組みや態勢を充実させ、企業との対話の質の向上を目指しさらに努力を重ねることにより、スチュワードシップ責任を通じてお客様・受益者への受託者責任をしっかりと果たしていく方針です。